外壁塗装の中塗りと上塗りで色変えするのはどうしてだめなの?
2023/10/25
こんにちは。リペインターズの広報担当です。
最近外壁塗装の現場で下塗りの次の工程である中塗り、上塗りと二回塗り進める際に色を変える場合があります。
いい施工のためにはこの工法はあまりおすすめできません。
なぜ中塗りと上塗りを分けて塗る業者がいるのか、なぜ分けて塗ることは推奨できないのかについて今回ご紹介いたします。
Contents
外壁塗装、屋根塗装の基本は三回塗り
外壁塗装、屋根塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの三度塗りが基本です。
下塗りを塗装することで塗装面である下地を整え、上から塗る接着面との密着率を高めます。
下塗りに使用する塗料は、中塗りや上塗りで使用する塗料とは全く別物で、下地の状態によってシーラーやフィラーといった塗料を使用します。
中塗りと上塗りには仕上げ塗料を使用して、基本的に同じ色を塗装します。
なぜ二回も塗装するかというと、中塗り(仕上げ塗料一回目)は、まず色をつける役目があり、そして上塗り(仕上げ塗装二回目)にて色ムラをなくして均一に仕上げ、外壁や屋根を守る塗膜の厚みをつけます。
一度塗るだけでは理想的な厚みをつけることが難しいため、二回同じ塗料を塗装して仕上げます。
なぜ中塗りと上塗りの色を分けて塗装するのか?
大手の塗装会社などでは1回目と2回目の色を変えることを推奨している企業もあります。
大きな塗装会社は下請けをたくさん抱えているため、自社で現場管理が難しいという事情があり、基本的に現場は施工業者に任せきりになっています。
価格競争になるとかなり安い額で工事を引き受けなければならず、十分な工事の費用がない場合もあります。そんな時、やろうと思えばいくらでも「塗料の節約」が出来てしまうのです。
たとえば節約や工数の削減のために、中塗りを塗らずに、下塗りの上にいきなり上塗りを塗るなんてこともあります。
ひどいケースでは下塗りがない場合や、ひび割れなどの補修もしていないようなケースもあるのです。
お客様にとっては不安になる話ですよね。
けれども、これが事実として有る事なのです。
下請け制度は建築業界で通例となっており、元請けから下請け、さらにはその下の孫請けに出すということも珍しくありません。
もちろんすべての下請けの現場でそのようなことが起こっているわけでもありません。
あまりに無理な短いスケジュールや、価格競争が進んだ結果、安い金額での下請け工事となった時に発生しているケースが多く見られます。
中には中塗りを塗装しないだけでなく、いきなり仕上げ塗料から塗ってしまうような現場やしっかりとした下地補修を行わないと、施工不良となってしまい、数年で塗料が剥がれてしまいます。
そのため中塗りと上塗りの色を変えることで、そのような「不正」を防ぎ、ひいては施工不良も防ぐ目的があります。
弊社では全ての現場を責任もって仕上げられるよう、自社施工のみで対応しております。
色変えによるデメリット
上では中塗りと上塗りで色替えをする理由についてご紹介しました。
しかし色替えには下記のようなデメリットがあります。
別々の塗料を用意するためコストが高くなる
しっかり作業する塗装業者からすると、色替え工法自体は無駄が多いやり方だと判断しているところも少なくありません。
中塗りと上塗りで色を変える場合、それぞれ別の塗料を用意することになります。
本来なら一種類の塗料を用意すればいいところを、別々の塗料をそれぞれ用意すると、塗料にロスが出る可能性も有り、また攪拌などの職人の手間が増えてコストに反映されることが予想されます。
そうして増えたコストは、結局はお客様負担となってしまいます。
色変えせず、中塗りと上塗り塗料が同じ1種類でいいのであれば、コスト面で有利になります。
耐久性が低下する恐れがある
顔料を用いない色変えをすることで、中塗りと上塗りの密着感に影響が出ることがあり、耐久性が落ちる場合があります。
また色変えのために現場で顔料を極端に混合して色を作ったりすると、塗料自体が持つ性能に影響が出るので、耐久性に問題が生じる可能性があります。
劣化したときの見た目が悪い
色替えする場合あまりかけ離れた色同士を塗り進めると思ったような仕上がりが期待できません。
また塗料が紫外線などで劣化してくると、塗料に含まれる顔料が劣化して色褪せを起こしますが、塗膜が層になっているので上塗りの塗料が劣化してくると次は下塗りの層が見えてきます。
この時違う色の塗料を使用していると、色にムラができてしまい、そこまで美観が低下して目立ってしまいます。
同じ色を塗装していれば、上の層が劣化しても下の層も同一色なので色褪せは起こっても、異なる色ムラができることはありません。
中塗り、上塗りは昇り「のぼり」で判断できる
「中塗りと上塗りが同じ色だと重ねて塗っている違いが判断出来なくなるのでは?」と言う意見がありますが、それらが必ずしも正しいとは限らないのです。
塗料を外壁に塗布した直後と、乾いてからでは色の濃淡に違いが有ります。
塗ってしばらくは薄く見えて、乾いたら色が濃く見えるという現象です。
乾燥前の色は塗料が濡れているため、「濡れ色」と呼びます。また、塗料が乾燥硬化した時の色を「乾き色」と呼びます。
この色の変化を、われわれ塗装屋は昇り(のぼり)と言っています。
この、のぼりは水性と油性(弱溶剤系)の塗料どちらでも発生します。
特に水性塗料では『のぼり』の起伏幅が大きく、まったく別の色を塗装したと思うほど色に変化が生じます。
この昇り「のぼり」がわかると、塗り重ねたのが一目瞭然です。
熟練の職人は昇り「のぼり」を理解しているので、塗り残しはありません。
【まとめ】
中塗りと上塗りの色変え施工は、一見すると分けて塗ったことがわかるためいい方法だと思ってしまうかもしれませんが、施工にコストやロスが出やすい方法でもあります。
最終的にお客様へのコストなどの負担が発生するため、無駄に高くなってしまったり耐久性の低下のリスクがあります。
外壁塗装では塗料を発注する際にピッタリと塗料が無くなるように注文はしません。
必ず余分に少し余る程度に発注します。
そうで無いと余分が無いばかりに節約して塗布作業する意識に陥ってしまい、厚みのある塗膜形成に影響が出るので必ず余分に注文しておきます。
色変えする事によって実質二種類になるので、それぞれで塗料が余ってしまい合わせると、けっこうな量になるのでは無いでしょうか?
色変えせずに同色ならそこまでの限りではありません。
このロスは、マンション、ビルの大規模修繕では気にならない程度ですが、一軒家だと大きく感じると思います。
あと色の差によっては塗料の乗り自体が悪くなるので、下塗りが透けて出て来るでしょう。
結局は上塗りをもう一回塗って合計3回塗ることにもなりかねません。
もちろん、リペインターズではもしもお客様がご要望される場合には色変え工法にも対応できますので、ご遠慮なくお申し付けください。
その場合も施工不良にならないよう、綿密な作業を行います。
京都市山科区を中心に外壁塗装工事、屋根塗装工事を承っているリペインターズです。
塗装に関しては経験豊かな職人が在籍しておりますので、お任せください!
山科区以外の地域からのお問合せも大歓迎なので、どうぞお気軽にお問い合わせください。