屋根の形状と勾配について
2023/10/26
こんにちはリペインターズスタッフの広報担当です。
街を見ると色々な種類の屋根の形がありますよね。
皆さんがお住まいの屋根はどんな形状でしょうか?屋根の形状によって雨漏りのしやすさや、メンテナンスのしやすさが異なります。
また、屋根には雨水の排水のために勾配(傾斜)が付けられています。
この勾配は屋根材の種類や地域の気象条件によって決められています。
今回の記事では屋根の形状や、勾配について解説します。
Contents
屋根の形状について
こちらでは代表的な切妻屋根や寄棟屋根、片流れ屋根、陸屋根についてそれぞれの特徴、メリットやデメリットについてご紹介します。
切妻屋根
平成に入ってからは、ほとんどのお家がこの切妻屋根だと思います。
本を開いて下に伏せたような形状をしており、シンプルな三角形をしています。
切妻屋根は形状がシンプルで施工し易い特徴があることから広く普及していきました。
切妻屋根のメリット
- 適度な勾配があり雨水が屋根に滞りにくく、適切に排出できるため雨漏りが少ない
- 単純な形状のため新築や屋根修理の場合は費用を抑えることができる
- 屋根裏の空間ができるので通気性がよく、断熱性に優れている
- 屋根の面積があるため太陽光パネルの設置することが可能
- 使用できる屋根材が豊富にある
切妻屋根のデメリット
- 破風板や妻側が劣化しやすい
- 見た目がシンプルで、同じような形の屋根が多いので個性が出せない
- 2面しかなく方角や環境によっては、特定の面だけに紫外線・風雨が当たるため劣化がしやすい
▷参考記事:切妻屋根とはどんな屋根?メリットやデメリット、メンテナンス費用などを解説
寄棟屋根
寄棟屋根は、屋根の棟包み部分から軒に向かって四面に傾斜面のある屋根です。
意匠性が高く、昭和の瓦葺屋根に多く見られます。
寄棟屋根のメリット
- 耐風性がある
- 全方向に屋根面があるため、太陽からの紫外線や雨から外壁を守れる
- 見た目が重厚感があり落ち着いた印象になる
寄棟屋根のデメリット
- 複雑な形状のしているため建築や屋根リフォームの際にコストが高くなる
- 形状が複雑なため、劣化がしやすい場所多く雨漏りのリスクが高い
- 屋根の面積が小めなので太陽光パネルの設置が困難
- 屋根裏の空間が狭くなるので、断熱性や換気性に劣る
▷参考記事:寄棟屋根とはどんな屋根?メリットやデメリット、メンテナンス費用などを解説
片流れ屋根
片流れは工場や倉庫に多く見られますが、最近では新築の戸建て住宅にもみられるようになりました。
スタイリッシュでオシャレな印象ですが、軒が短いため雨漏りにリスクが高いと言われています。
片流れ屋根のメリット
- シンプルな構造なので新築の際にコストを抑えて建てられる
- 屋根面がフラットなので太陽光パネルを設置しやすい
- 見た目がスタイリッシュな印象になり他と差別化できる
- 屋根裏のスペースが広くとれる
片流れ屋根のデメリット
- 勾配が片方しかないので、雨水が一方向に流れるため劣化がしやすく雨漏りが起こりやすい
- 片面しか屋根がないので、風の影響を受けやすい
- 屋根裏の通気性が悪く湿気が溜まり、結露が起こりやすい
庇の重要性については下記をご覧ください。
▷参考記事:雨漏りしやすい片流れ屋根の特徴と対策方法
陸屋根
陸屋根は、その名の通り陸になっていて平らな屋根のことです。
ビルやマンションは陸屋根が多いですが、最近ではキューブ型住宅といって四角い形の住宅のデザインもあります。
屋上ができるのでそのスペースを有効活用することができます。ただ、勾配がほとんどないため防水工事が必要で、メンテナンスをしないと雨漏りに繋がります。
陸屋根のメリット
- 屋上ができるため、そのスペースを有効活用できる
- 室内から屋上に上ることができるため、屋上の防水工事の際は足場が不要
- 形状がシンプルなのでスタイリッシュな見た目になる
陸屋根のデメリット
- 屋根が平らなので水はけが悪く雨漏りになりやすい
- 定期的な防水工事が必要なのでメンテナンスコストがかかる
- 屋根裏がなく断熱性が悪いので室内が暑くなる
防水工事については下記の記事をご覧ください。
▷参考記事:陸屋根とは?メリットやデメリット、メンテナンス費用などを解説
屋根の勾配とは
勾配というのは屋根の傾斜角度のことで、屋根の修繕に大いに関係してきます。
勾配を表す(寸)というのは水平方向に10進んだ先に5立ち上がっていれば5寸勾配で4立ち上がっているならば4寸勾配です。
また勾配によって使用できる屋根材の種類が決まっています。
屋根材はそれぞれ必要な最低勾配が決まっており、これを守らないと排水がうまくいかずに雨漏りの原因になってしまいます。
瓦の最低勾配は4寸勾配以上、金属屋根は0.5寸~3寸勾配以上、スレート屋根は3寸勾配以上です。
金属屋根でも横葺きの場合は、3寸勾配以上が必要ですが、縦葺きの瓦棒葺きの場合は1寸勾配以上、立平葺きなら0.5寸勾配以上となります。
例えば勾配が少ない2.5寸の緩い勾配の屋根に、瓦やスレートを葺くことはできません。
屋根の勾配と足場設置について
屋根塗装工事では勾配がキツイ屋根だと歩行が困難になり足場が必要になります。
4寸勾配までの浅い勾配でしたら職人が屋根上を歩行するのも支障が無いので足場無しで施工可能な場合が多いです。
しかし5寸勾配の屋根だと塗料や道具が転がり落ちる恐れがあり非常に危険です。
と言うのも、職人は右手に刷毛、左手に塗料缶を持って作業し、作業中は両手がふさがっている状態なので何かに捕まるというのが出来ないため危険なのです。
誤って塗料材料を落下させて建物を汚してしまったり、最悪、下にいる人に当たってしまう危険性もあるのです。
そのため、勾配がキツイ屋根には足場が必要となり工事代金も割高となります。
ブログをお読みになっている皆様も、新築や中古物件などをお選びになる際は屋根の形状もある程度考慮された方が良いかもしれません。
▷参考記事:屋根修理に足場って必要なの?必要性や費用などを解説します
おすすめの屋根の形状
一塗装屋の個人的な見解としては、一風変わった複雑な形状の屋根は避けた方が無難だと思います。
形状が複雑になると、継ぎ目や使用する板金が多くなり、それだけ雨漏りが発生しやすくなります。
雨漏りなどのトラブルの際には修繕に時間もかかり、その分工事も割高になるのです。
建物はデザイン性重視の複雑な構造よりも、シンプルでメンテナンスがやり易い構造の方が長く綺麗に使えるのでおすすめです。
▷参考記事:屋根の代表的な形状と特徴
京都市山科区周辺で外壁塗装工事、屋根塗装工事をお考えでしたら
リペインターズにご依頼ください。
フェンスだけ塗装などの細かな工事にも対応、お気軽にお問い合わせください。