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木部や軒天が冬に傷みやすい本当の理由

2025/12/18

監修者

高橋彰

高橋 彰

二級建築士。株式会社ウェルビーホーム代表。
建築業界歴30年。「安心・丁寧・親切・安価」をモットーに、「どうやったらお客様が喜んでくれるか」を常に考えています。お客様のご要望に応じて塗装の他にリフォームなど改装工事も行っています。

京都の冬は、他府県から来られた方が口をそろえて「思っていた以上に寒い」と感じる気候です。
積雪は多くないものの、朝晩の冷え込みと乾燥が厳しく、いわゆる「底冷え」と呼ばれる寒さが特徴です。この京都特有の冬の環境は、実は住宅の木部や軒天に少しずつダメージを与えています。

今回は、京都の塗装屋の視点から、冬の乾燥が木部・軒天を傷める理由について詳しく解説します。

京都の冬は「乾燥」と「寒暖差」が大きい

京都盆地は、夏は蒸し暑く、冬は乾燥しやすい気候です。
特に冬場は、降水量が少なく空気が乾燥し、日中と朝晩の寒暖差が大きくなります。

この乾燥と寒暖差が、木材にとっては大きな負担となります。
木は自然素材のため、周囲の湿度に応じて水分を吸収・放出します。冬の乾燥した空気にさらされることで、内部の水分が急激に抜け、収縮が起こります。

木部が「痩せる」ことで起こるトラブル

京都市西京区の中古物件の外壁塗装現場にて2階軒天と出窓周りの施工前、チョーキングと色褪せが目立つ様子

木部が乾燥によって収縮すると、次のような症状が現れやすくなります。

・表面の塗膜に細かなひび割れが入る
・木目に沿って割れやささくれが発生する
・釘やビス周りに隙間ができる

京都の住宅では、すだれ掛け、格子、破風板、縁側、ウッドデッキなど、外部に木部が使われているケースが多く見られます。
これらの部分は直射日光や風を受けやすく、冬場は特に乾燥が進みやすい箇所です。

軒天も冬の影響を受けている

京都市西京区の中古物件の外壁塗装現場にてすだれかけ周りの施工前、色褪せが目立つ様子

軒天(のきてん)は雨や直射日光を避けられる反面、湿気がこもりやすい場所でもあります。
京都の冬は、晴れた日は乾燥しますが、朝方は冷え込みによって結露が発生することも少なくありません。

この「乾燥 → 結露 → 乾燥」という繰り返しが、軒天材に負担をかけます。

・表面の塗膜が粉をふく
・シミや変色が出る
・下地材が傷み、剥がれや浮きにつながる

特に築年数が経過した住宅では、軒天の塗膜が防水性を失っていることが多く、冬の環境によって劣化が一気に進行するケースもあります。

京都の町家・和風住宅は要注意

京都には町家や和風住宅が多く残っています。
これらの建物は、木部が外観デザインの一部として多用されており、現代住宅よりも木が露出している割合が高い傾向にあります。

冬の乾燥によって木部が傷むと、見た目の美しさが損なわれるだけでなく、雨水の侵入から腐食やカビが発生し、修繕に多額の費用がかかる場合もあるのです。

冬は「塗装の重要性」が見えやすい季節

冬は塗装工事そのものよりも、点検に向いている季節です。
乾燥しているため、塗膜の剥がれや木部の割れ、軒天の劣化が視認しやすくなります。

京都で外壁塗装を検討されている方は、冬のうちに以下のポイントを確認しておくことが大切です。

①木部にひび割れや色あせがないか
②軒天にシミや剥がれが出ていないか
③触ると粉がつかないか(チョーキング)

これらは、塗装による保護が必要になってきているサインです。

木部・軒天は「塗装で守る」ことが基本

木部や軒天は、定期的に塗装を行うことで、乾燥による割れを抑えて水分の侵入を防ぎ、劣化の進行を遅らせることに繋がるのです。
逆に、水の侵入を許してしまえば、築浅の建物だろうと劣化の速度は上がります。

京都のように四季の変化がはっきりしている地域では、早めのメンテナンスが住宅を長持ちさせるポイントです。

冬こそ、住まいを見直すタイミング

冬の乾燥は、目立たないところで木部や軒天を確実に傷めています。
京都の住宅は意匠性が高い分、劣化が進むと修繕の手間や費用も大きくなりがちです。

だからこそ、冬は「何もしない季節」ではなく、これから先の住まいを守るために点検する季節と考えることが大切です

京都で外壁塗装・木部塗装をご検討の際は、地域の気候を理解した塗装業者に相談することをおすすめします。

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